人類のがんと向き合う


独裁者を産んだ国々は、産んだ責任として、彼が引き起こす様々な災禍を各々の国で引き受けるのは当然だし、その災禍が国の中でとどまる限りなら、周辺国も騒ぎはしないだろう。だが、えてして独裁者というものは強力なカリスマ性を持ち合わせているから、彼の影響や災禍は徐々に国境の外に染み出していく。結果、周辺地域の秩序がかき乱される。独裁者の影響がその国にとどまらず国外に染み出していく様子は、がん細胞が周辺組織を飲み込んでいくさまと何ら変わらない。とすれば、独裁者が実権を握った段階で、摘む必要があるということになる。
しかし、プーチンが就任した2000年に、彼がこのように変貌することを、誰が予想できただろうか?そして、今も、世界のどこかで、未来のプーチン=がん細胞が生まれているかもしれない。そして、そのがん細胞を見出すのは至難の業である。
だとすると、どの国にもがん細胞が産まれ、それが武器を手に周辺国を侵攻する可能性を秘めている。
つまるところ、国家は信用ならないということになる。信用ならない国家に、武器を触らせてはいけないだろう。
やはり、地道に、世界的に、軍縮を進めるしかないのである。そして、国家と国民でレベルが異なるが、その成功モデルがこの国にある。治安の良さで世界的にトップレベルにあるのは、やはり「銃規制」が敷かれていることが大きいだろう。